熱中症対策|職場での予防と対応の基本【2025年義務化対応】
熱中症対策|職場での予防と対応の基本【2025年義務化対応】
「夏場の現場作業で熱中症を防ぎたい」
2024年の職場における熱中症による死傷者数は過去最多の1,257人。死亡者数も31人に上った。特に建設業と製造業での発生が多い。
2025年6月からは熱中症対策が罰則付きで義務化される。この記事では、職場での熱中症予防と対応の基本を解説する。
熱中症の発生状況
職場における熱中症の発生状況を確認する。
2024年の発生状況
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 死傷者数 | 1,257人(過去最多) |
| 死亡者数 | 31人 |
| 発生ピーク | 7月・8月 |
業種別の発生状況
| 順位 | 業種 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1 | 建設業 | 最多発生、屋外作業が多い |
| 2 | 製造業 | 高温環境での作業 |
| 3 | 運送業 | 車内の高温、荷役作業 |
| 4 | 警備業 | 屋外での立ち仕事 |
死亡災害の傾向
死亡災害の分析から、以下の傾向が明らかになっている。
被災者の特徴:
- 60代以上が3割強
- ただし20代の死亡者もいる
死亡につながった原因:
- 初期症状の放置
- 対応の遅れ
- 重篤化した状態で発見される
2025年6月からの義務化
労働安全衛生規則が改正され、2025年6月1日から熱中症対策が義務化される。
対象となる作業
以下の条件を満たす作業が対象となる。
環境条件:
- WBGT(暑さ指数)28℃以上
- または気温31℃以上
作業時間:
- 継続して1時間以上
- または1日当たり4時間を超える作業
義務付けられる措置
事業者は以下の措置を事前に定め、作業者に周知する必要がある。
| 措置 | 内容 |
|---|---|
| 1. 作業からの離脱 | 体調不良時に作業を中断できる手順 |
| 2. 身体の冷却 | 冷却方法と場所の確保 |
| 3. 医師の診察 | 必要に応じた医療機関への搬送 |
| 4. 緊急連絡体制 | 連絡網、搬送先、所在地の明確化 |
罰則
規則が適正に行われなかった場合、以下の罰則が科される可能性がある。
- 6カ月以下の懲役
- または50万円以下の罰金
熱中症予防の3つの重点
厚生労働省が示す熱中症対策の重点ポイントを紹介する。
重点1:暑さ指数(WBGT)の把握
WBGTとは: 気温、湿度、輻射熱を総合的に評価した指標。熱中症リスクの判断に使用する。
WBGT値と対応:
| WBGT値 | リスク | 対応 |
|---|---|---|
| 31℃以上 | 危険 | 原則作業中止 |
| 28〜31℃ | 厳重警戒 | 作業時間短縮、休憩増加 |
| 25〜28℃ | 警戒 | 定期的な休憩、水分補給 |
| 25℃未満 | 注意 | 通常の対策を実施 |
測定方法:
- WBGT測定器の設置
- 環境省の「暑さ指数」情報を活用
重点2:労働衛生教育の実施
作業者に対して、熱中症に関する教育を実施する。
教育内容:
- 熱中症の症状と原因
- 予防方法と対策
- 発症時の対応手順
- 緊急連絡体制
実施時期:
- 夏前の安全大会
- 毎月の災害防止協議会
重点3:有訴者への特段の配慮
体調に問題がある作業者への配慮を行う。
配慮が必要な作業者:
- 睡眠不足の人
- 体調不良の人
- 暑熱順化が不十分な人
- 持病のある人
配慮の内容:
- 作業時間の短縮
- 休憩時間の増加
- 作業内容の変更
具体的な対策
職場で実施すべき具体的な熱中症対策を紹介する。
作業環境の管理
暑熱環境の緩和:
- スポットクーラーの設置
- 遮熱シートの活用
- 送風機による換気
- 休憩所の冷房
休憩場所の確保:
- 涼しい休憩スペースの設置
- 冷水・スポーツドリンクの常備
- 製氷機・冷蔵庫の設置
作業管理
作業時間の調整:
- 高温時間帯を避けた作業計画
- 休憩時間の頻度増加
- 身体作業強度の低い作業への変更
WBGT値に応じた対応:
- 職長の判断で工程調整
- 元請への報告・相談
健康管理
日常の体調管理:
- 毎日の健康チェック
- 睡眠・食事の確保
- 暑熱順化(暑さに慣れる期間の確保)
水分・塩分補給:
- 20〜30分おきの水分補給
- 塩分を含む飲料の摂取
- 自覚なくても定期的に補給
緊急時の対応
初期症状の発見:
- めまい、立ちくらみ
- 筋肉のこむら返り
- 大量の発汗
- 頭痛、吐き気
応急処置:
- 涼しい場所に移動
- 衣服をゆるめる
- 体を冷やす(首、脇、足の付け根)
- 水分・塩分を補給
- 意識がない場合は救急車を呼ぶ
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まとめ
職場の熱中症対策は、2025年6月から罰則付きで義務化される。
2024年の発生状況:
- 死傷者1,257人(過去最多)
- 建設業・製造業で多発
- 初期対応の遅れが死亡につながる
2025年6月からの義務化:
- WBGT28℃以上または気温31℃以上が対象
- 作業離脱、身体冷却、医師診察、緊急連絡体制の整備
- 違反した場合は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金
熱中症予防の3つの重点:
- 暑さ指数(WBGT)の把握
- 労働衛生教育の実施
- 有訴者への特段の配慮
具体的な対策:
- 作業環境の管理(冷房、休憩所)
- 作業管理(時間調整、工程変更)
- 健康管理(体調チェック、水分補給)
- 緊急時の対応手順の整備
早めの対策で、熱中症による労働災害を防ごう。
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